どらちゃんの徒然日記

クローン病に負けるな!まだまだ人生を諦めていないアラフィフ女子の日々のことを徒然に書き綴ります

裁判傍聴初体験

 3月3日ひな祭りに、私は、裁判の傍聴を住んでいる地域の地方裁判所へ行き初体験してきた。ひな祭りを狙ったわけではなく、行ける日がたまたまひな祭りだった、というだけのこと。また、傍聴したい裁判があったわけではなく、傍聴の体験がしたくて行ったのだった。

 

 裁判の傍聴については以前から興味があり、今年こそは行きたいと思っていた。でも、裁判というのは平日の昼間にやっているため、今までは行くとなると休みを取らないとだめだったが、現在の仕事は平日が休みになることがあるので、状況的には行こうと思えば行けるようになった。

  それでこの度決行した。

 

 事前にネットで裁判の傍聴についての情報を収集して出かけた。

 事前にインプットした情報のとおり、裁判所について最初に入り口案内のところで本日の開廷予定を確認した。

 すると、今から15分後から刑事裁判が1件始まることがわかった。

 「よし、チャンス!」と私は裁判所近くでの用事をそそくさと済ませ、初の傍聴に臨むことになった。

 

 しかし、拍子抜けするくらい、厳重な警備とか、法廷に入る前の注意などなく、あっさりと手を消毒し、法廷に入ることが出来るのには驚いた。

 事前の荷物チェックもないし、記名する必要もない。身分証明書の提示もなし。

 コロナ禍であるにもかかわらず健康チェックシートの記入依頼もなかった。

 

 そしていよいよ法廷に入る。

 

 法廷にはすでに検察官、被告人の弁護人、書記官がスタンバっていた。

そしてしばらくしてから裁判官が入廷、開廷。もう、この風景はドラマで見た風景そのままで、感動してしまい鳥肌が立った。

  そして被告人が被告人席へ着く。

 

 私が傍聴した裁判の被告人は病気のためなのか車いすに乗ってやってきた。お年もめいていたような気がする。これが高齢化社会の裁判で、これからはこういう風景も増えるのかな、と思った。

 

 ここではじめてわかったのであるが、裁判には3つの種類がある。

一つは「新件」、一つは「審理」、一つは「判決」である。これは何かと言うと、「新件」はその日、初めて行われる裁判のこと、「審理」は継続中の裁判のこと、「判決」は裁判官による判決言い渡しの裁判を意味している。

 テレビドラマで言えば「新件」は第一回の放送、「審理」は途中の放送、「判決」は最終回の放送という感じだと説明するとわかりやすいと思う。

 

 私が初めての傍聴した裁判は3つのうちの「新件」だった。「こういう事件をあなた(被告人)は起こしましたね。」という感じでの説明があった。その説明が終わり、「審理」の日程を裁判長が伝えて、今回の裁判は閉廷した。あっさり終わった。15分くらいだったろうか。

 

 裁判の種類も知らずに傍聴に来て、あっさり終わってしまったことにがっくりしてしまった私は、もう一度裁判所入り口の案内のところに行き、本日開廷の裁判はないだろうかと調べてみた。

 裁判所入り口の案内のところには、本日の裁判の予定を刑事事件と民事事件とに分けて印字されたものがファイリングされたものが置かれている。電子掲示板とかそんなデジタル機器などなく、いたってアナログなやつ。

 それをもう一度見て確認したら、30分後くらいに今度は「判決」の裁判があることがわかったので、今日はそれも傍聴することにした。

 

 法廷を出たところには待合室のような感じで椅子が置いてあり、自動販売機が設置されているスペースがあった。そこだけを見ているととても裁判所とは思えない。どこにでもある公共のスペースのようだった。

 そこで飲み物を飲みながら時間をつぶし、次の裁判を待った。

 

 次の裁判は「判決」。被告人が入廷し、裁判長が入廷すると間もなく、裁判長は判決を言い渡した。主文が先で、そのあとに判決理由を述べていた。

 ああ、これがいわゆる判決ね…ふむふむ。

 そして、判決理由の最後に裁判長が被告人を諭すような発言をして終わったのであった。そして、私の裁判の傍聴初体験も終わった。

 

 意外と裁判というのは開かれたものであるというのが今日の印象である。

 また、日ごろ姿勢を正して話を聞く機会が少ない私にとっては、久しぶりに椅子に浅く腰掛け背もたれによりかかることもなく背筋を伸ばし、静粛な中で話を聞いた。内容は理解不能なものもあったが、「シャッキーーーーーーン」という音がするほどシャキッとして話を聞いた。これはこれでいい経験だったと思う。

 

 そして帰途にいろいろと考えた。

 まったく縁のなかった被告人2名のこと、その家族のこと、事件のこと。

 新聞の片隅で見たかもしれない事件はやっぱり現実に存在していて、逮捕されるとほぼ起訴され有罪となるんだ、というのは今ここにある事実なんだな、と実感がわいた。

 

 地方裁判所では小さな事件の裁判しかないが、それでもこれからも時々裁判の傍聴をしてみようと思った。

 面白いとかそういった感情ではないし、のぞき見趣味みたいな感情とも違う。言葉では言い表しにくい感情であるけれど、でも、また傍聴してみたいと思ったのだった。